バリ島はインドネシアで最も人気のある観光地の一つで、美しい自然や豊かな文化が魅力ですが、行かれたことない方だと、「名前は聞くけど、よく知らない」という方が多いのではないでしょうか。
テレビでよく見るけど、日本からバリ島へ何時間で行くことができるの?
インドネシアはたくさんの島があると聞くけど、バリ島は何語を話すの?
位置や面積、だいたいの広さを知っておきたい
本記事では、バリ島歴20年以上のマーニが、旅行に役立つバリ島の位置や気候など、基本情報について解説します。トイレ事情も漏れなくチェックです。
バリ島はどこの国?インドネシアに属し、ジャワ島の東に位置します
バリ島は、インドネシア共和国に属する島です。インドネシアの首都ジャカルタがあるジャワ島のすぐ東側、環太平洋造山帯に属する小スンダ列島の西端に位置しています。
島の東にはロンボク海峡を挟んでロンボク島があり、西にはバリ海峡を挟んで大スンダ列島に属するジャワ島があります。
バリ島の位置を、日本から見た場合、南西に約5,500kmのところにあり、直行便で行くと約7時間と、手軽なリゾート地です。
オーストラリアと同じ南半球に位置するため、夜になると南十字星が見えます。日本では見えない星空に出会えるのもバリ島の魅力の一つです。
ちなみに日本から旅行で行きやすい東南アジアの国々で、唯一赤道を超えるのがバリ島です。そのため、以前は、ガルーダインドネシア航空に搭乗し、赤道を超えると、機内で赤道越境記念シールがもらえました。
東京都のおよそ2.5倍の面積だけど人口は4分の1
バリ島は、インドネシア共和国の第一級地方自治体である「バリ州」に属します。
バリ州の面積は5,633平方kmあり、人口は約400万人。州都はデンパサールです。
バリ島の空港は正式名称はングラライ空港ですが、州都デンパサールにちなみ、「デンパサール空港」または単純に「バリ空港」と呼びます。3つ共同じ空港です。
ちなみに東京都の面積は2193.96平方km、沖縄本当の面積が 1,199平方km。バリ島のほうが東京の2.5倍、沖縄本島の4.7倍と、意外に大きな島なのです。
一方人口は、東京都約1,400万人に対しバリ島約390万人と東京都の約4分の1。対人口比でみると、州都デンパサールや南部観光地を除き、人々がゆったり暮らしているイメージです。実際郊外に行くと、広々とした田園、山々が広がり、自然の中に人々が共存していることがわかります。
バリ島本島の面積は約5,633平方kmですが、バリ州は、周辺のペニダ島、レンボンガン島、チュニガン島 、スラガン島、ムンジャガン島からなる州なので、周辺諸島と合わせると5,780 平方kmになります。
島の北部を東西に火山脈が走り、バリヒンドゥー教において信仰の山とされるアグン山(標高 3,142 メートル)やキンタマーニ高原で知られるバトゥール山(標高 1,717メートル)など多くの火山を有しています。
バリ島の南部は、ビーチリゾートが数多く点在しています。クタやヌサドゥアは、バリ島を代表するビーチリゾートとして人気があります。
一方バリ島の中央部は、ウブドなどの田園地帯が広がっています。ウブドは、バリ島の伝統文化の中心地として知られ、寺院や芸術家村などがあります。
バリ島はビーチリゾートのイメージが強いですが、意外にも、山、田園、川、最近では滝、湖がクローズアップされ、さまざまな自然アドベンチャーが楽しめます。
そのため、バリ島に慣れた人だと1回の滞在で、ビーチと山、ビーチと田園と二つのエリアを組み合わせて旅行する人が多いです。
もっと慣れた人だと、自分のお気に入りのエリアがあり、ウブドならウブドと毎回決まった場所に滞在する人もいます。ちなみにサヌールを愛する人のことをチェックインバリ+ではサヌラーと呼んだりします(笑)。
バリ島の気候はモンスーン気候だけど、最近は東京より涼しいかも
バリ島は熱帯性モンスーン気候に属しており、年間を通して平均気温が約28℃と、日本に比べてとても暖かい地域です。バリ島には日本のような四季がなく、代わりに1年の中で、比較的降水量が少なくカラッとしている「乾季(4月から10月頃まで)」と、降水量が多い「雨季(11月から3月頃まで)」の2種類の時期があります。
日本からすると、バリ島は南の島のイメージなので、南国を想像しますが、昨今日本の夏は、異常なほど暑く乾季の8月にバリ島に行くと、みなさん「バリ島のほうが涼しくて過ごしやすい」とおっしゃいます(笑)。
一方、雨季は湿度が高く、蒸し暑い。ただ、ざっと降ってしばらくして止むを繰り返すスコールが多く、一日中降り続くことはほとんどありません。なんといっても、日本が寒い時期に、半袖で過ごせる土地に行ける幸せ。雨をたくさん受けて、緑が育ち、花々が咲きみだれ、南国ならではの果物もたくさん出回ります。
観光客が少なくなるし、ホテルの料金が安くなるので、雨季のバリ島は意外な穴場で、比較的ゆっくりと過ごすことができます。
国旗は赤が上、白が下
バリ島はインドネシア国の州で、インドネシアの国旗は、赤と白の水平二分旗です。赤は勇気と活力、白は清潔さと純潔を表しています。
ちなみに、上が白、下が赤の逆パターンはポーランド国旗です。
バリ島のトイレ事情を詳しく解説します
マーニがバリ島に行き出した昔は、たいていトイレは外の掘立て小屋にあり、扉を開けると鼻をつまみ1秒でも早く出るようなところでした(笑)。
バリ島のトイレで、マーニは怖いものがなくなった(笑)という冗談はさておき、バリ島のトイレは場所によって大きく異なります。
高級ホテルや観光客向けの施設では、日本と同様の洋式の水洗トイレが整っています。トイレットペーパーは流しても問題ありません。
最近は、だいぶ改善されて郊外のレストランでもトイレは比較的きれいです。けれどトイレットペーパーが無い、または切れている所も多いので、トイレ用携帯ペーパーと、除菌ティッシュは必携です。
一方、一般家庭やローカルのお店では、しゃがむタイプの和式トイレが多く、水洗ではなく自分で流す必要があります。
バリスタイルのトイレ(トイレブースの中に水瓶と桶、または蛇口直結のホースがある)に遭遇したら、
- 用を足したら、トイレットペーパーや紙は便器に流さずゴミ箱へ捨てる
- 使用後は、桶の水やホースを使って水を流し、その水で手を洗う
が鉄則です。トイレットペーパーをゴミ箱へ捨てるのは、便器に流すと詰まってしまうからです。
ちなみに紙がない場合、ダイレクトウォシュレットというのでしょうか、桶の水を使うか、ホースから水を流しお尻に当てて流します。
トイレの時、バリ人は必ず左手を使ってお尻を洗うので左手は不浄とされています。握手をする時は必ず右手を出しましょう。ちなみに水で流した後は、洗いっぱなしで、濡れたまま下着を付けるのが普通だそうです。暑い国なので直ぐに乾くらしいです(笑)。
バリ島の言語は?観光客が多いエリアはほとんど英語が通じます
バリ島の言語は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、バリ島の住民同士の会話に使われ、バリ島固有の文化や習慣を反映した「バリ語」です。バリ語には方言があり、地域によって言葉遣いや発音が異なります。
例えばインドネシア語でありがとうは「テリマカシー」ですが、バリ語は「スクスモ」と言います。全然違います。
2つ目は、インドネシアの公用語である「インドネシア語」です。インドネシア語は、マレー語をベースとした人工言語で、アルファベットを使って表記されます。バリ島では、学校やテレビ、官公庁などでインドネシア語が使われており、バリ島には例えば、ジャワ島など他島から来ているインドネシア人も多いので、そういう時は、インドネシア語でしゃべってます。
観光客がバリ島で使う言語としては、インドネシア語・・・と言いたいところですが、ホテルやレストランでは英語で通じます。バリ島は小学校から英語授業があり、観光業が盛んなので高校卒業後、ホスピタリティ学校(観光を学ぶ学校)で徹底的に英語をマスターし、日本人よりもはるかに皆英語がうまいです。優秀な子は、オーストラリアに留学したりするほどです。
田舎のホテル、タクシードライバー、外国人が利用しないお店、郊外の田舎、年配のバリ人と話す時は、英語はほとんど通じません。
そこで、少しだけでもインドネシア語を話すことができれば、よりスムーズにコミュニケーションをとることができます。
バリ島で使える簡単なインドネシア語フレーズをいくつかご紹介します。これらのフレーズを覚えておくと、バリ島での旅がより快適になるでしょう。
Selamat pagi(スラマッ パギ) | おはようございます |
---|---|
Selamat siang(スラマッ シアン) | こんにちは |
Selamat sore(スラマッ ソレ) | こんばんは(夕方) |
Selamat malam(スラマッ マラム) | こんばんは(夜) |
Terima kasih(トゥリマ カスィ) | ありがとう |
Maaf(マァフ) | すみません |
Ya.(ヤ) | はい |
Tidak(ティダック) | いいえ |
Berapa?(ブラパ?) | いくらですか? |
Di mana?(ディ マナ?) | どこですか? |
Tidak tahu(ティダック タゥ) | わかりません |
Minta bir Bintang satu botol(ミンタ ビアビンタン サトゥ ボトル) | ビンタンビール一本ください |
Satu lagi(サトゥ ラギ) | (グラスを指さして)もう1杯おかわりをください |
Mahal, bisa kurangi?(マハール ビサ クランギ?) | 高いからまけてもらえますか? |
バリ島の宗教は? 独特のバリヒンドゥー教で豚も食べます
バリ島の宗教は、バリ ヒンドゥー教です。インドネシアの人口の約9割がイスラム教徒であるのに対し、バリ島では島民の約9割がバリ ヒンドゥー教徒です。一説によると、バリ島は本土と海で隔てられていたため、イスラム教に染まらなかったと言われています。
バリ ヒンドゥー教は、インドのヒンドゥー教とバリ島の土着信仰が融合して形成された独自の宗教です。インドのヒンドゥー教の神々や教えを受け入れつつも、バリ島独自の神々や儀礼も存在します。
例をあげると、ヒンドゥー教では豚は食べませんが、バリヒンドゥーでは豚を食べます。有名なバビグリン(豚の丸焼き料理)が好きなバリ人はたくさんいます。
バリ ヒンドゥー教は、バリ島の文化や芸術に深く根付いています。バリ島の伝統舞踊や音楽、建築、工芸品などには、バリ ヒンドゥー教の要素が色濃く反映されています。
バリ・ヒンドゥー教の特徴は、
- 唯一神であるサン ヤン・ウィディを信仰する。
- 多神教の要素も持ち、数多くの神々を信仰する
- 自然や精霊を神聖視する
- 儀礼や祈祷が重視される
があげられます。
私たち日本人からすると、独特な印象を持ちますが、あちこちに神が宿ることや自然を崇拝する気持ちは似ているところがあります。
日本人がバリ島へ行くと「どこか懐かしいな」と感じるのは、自然や物事に対して、同じ考えを持っているからかもしれません。
電話、電気、水事情は改善されています
バリ島の電話事情は、近年急速に改善されています。繁華街やリゾート地では、携帯電話や固定電話の通信が普通に使え、郊外でも通話は問題ありません。インターネット通信も、郊外にいくと3Gまでスピードが落ちるところもありますが、中心部は4G、5G楽勝です。
携帯電話は、インドネシアの携帯電話会社であるTelkomsel、XL Axiata、Indosat、Triがサービスを提供しています。バリ島でもSIMカードを購入することができますが、出発前日本でSIMカードを事前に購入して渡航すると便利です。
固定電話は、PT Telkom Indonesiaがサービスを提供しています。
バリ島(インドネシア)は220Vの電気が供給されています。日本は100Vなので注意です。最近の電化製品は、世界の電圧に対応するようになっていますが、パソコン等精密機器を使用する際には、コンセントと機器の間に変圧器をかましたほうがベターです。
古いホテルでパソコンを充電していると、パソコンがビリビリ放電するのを感じるほどで、停電もたまに起こるので、電気製品を使うときは、注意が必要です。
電気製品をホテルで充電するときは、客室にいるときに充電するようにしています。外出するときは、不在の間、電化製品がショートしてしまうと困るので、念の為コンセントから外しています。
バリ島の水事情は、地域によって異なります。リゾートホテルでは、水道の水は浄化していますが、安全のためにはミネラルウォーターを使用することをおすすめします。
歯磨きの時、客室の水道を口にしたり、ホテルのプールで口に水が入ってしまっても、まず問題ありませんが、気になる人はミネラルウォーターを使ったり、プールからでたら口をゆすりだりすればよいでしょう。マーニも、これまでこれまで何百回と歯みがきしたり、泳いだりしてますが、それでお腹を壊したことはありません。
バリ島の市販のボトルドウォーターは、1本約20円くらいと安いので気軽にスーパーやコンビニで購入出来ます。
一度開けて直接、口を付けたボトルを持ち歩いて、常温保存して翌日も飲んだりすると雑菌が増えてるので注意してくださいね。
バリ島に大使館はありませんが領事館があります
バリ島には大使館はありません。インドネシア共和国の首都ジャカルタに、在インドネシア日本国大使館があります。
バリ島には、在デンパサール日本国総領事館があります。総領事館は、大使館の下部組織であり、大使館の業務の一部を分掌しています。
在デンパサール日本国総領事館の管轄区域は、バリ州、西ヌサトゥンガラ州、東ヌサトゥンガラ州です。
バリ島に滞在する日本人は、在デンパサール日本国総領事館に連絡を取ることができます。
在デンパサール日本総領事館 | Consulate-General of Japan in Denpasar |
住所 | Jl. Raya Puputan No.170, Renon, Denpasar, Bali, INDONESIA |
TEL | +62-361-227628 |
URL | https://www.denpasar.id.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html |
バリ島の病院事情は?日本語が通じる病院があります
バリ島の病院事情は、近年徐々に改善されています。公立病院は、設備や医療技術が十分とは言えませんが、24時間体制で診療を行っています。中には、日本人スタッフも常駐している病院もあります。
日本と違うことが多いけどバリ島は魅力的な場所です
バリ島を旅行して、一番感じるのは、宗教が生活隅々まで行き渡ってることです。
あちこちに多くの神社や寺院があり、祭りや儀式に出くわすこともしょっちゅうです。バリ人に聞くと「儀式はお金がかかり、いつまでたってもお金が貯まらない」など聞きますが、お祈りを済ませたバリ人の顔はすがすがしい。自然を愛し、今ある時間を大切にしようという気がバリ島には流れているように感じます。
リピーターの間では「渡バリする」と言いますが(笑)、本記事を読んだ方は、ぜひ渡バリして、自分の目でどんな島か確かめてみてください。みなさんのバリ島旅行が素敵な旅になるといいな。